いよいよ12月も半ばに入り、年末ムードも盛り上がってきた今日この頃。
横浜はさすが観光地、あちこちでナイト・イルミネーションが大変なことになっております。
みなとみらい地区や元町ではゴージャスでロマンティックな輝き、イセザキモールでは親しみを感じさせる商店街的な飾り付けなど、各地それぞれ趣向を凝らした電飾が街を彩ってますが、横浜を代表する観光地・中華街も負けてはおりません。いかにも中華街らしいイルミネーションでライトアップされています。

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 この写真だと小さくてちょっとわかりづらいかな。もう少しアップにしてみましょう。

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 そうです。中華街のイルミネーションは、なんと提灯なのであります。
これは、来年の春節(旧正月)に向けて、ランタンや提灯でライトアップする「春節燈花」というイベントで、メイン通りには99個の提灯から成る全長約80mの「百節龍」がうねるような形で設置されています(口に咥えた球を合わせて、計100節)。

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 キラッキラに派手なイルミネーションが主流の昨今、提灯の暖かみのあるオレンジ色の灯りって、なんともほっこり和みます。ちょっと台湾・九份の景色とか思い出しますね。

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 市場通りとかの脇道にも提灯。
今年の春節燈花は「大吉大利」~おめでたいことが沢山ありますように~というテーマのもと開催されており、来年3月2日までの期間中は毎日16時~23時まで点灯されるそうです。

 さてさて、提灯を眺めながらのお散歩をしてお腹も空いてきました。
さっそく美味しいものを食べに参りましょう。

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 メイン通りに並ぶお店の中でもひときわ風格のある建物、コロニアル風の瀟洒な店構えが目を引きます。こちら、状元樓は「老上海」――Old Shanghaiを標榜する上海料理店。創業1955年の老舗であります。

 ちょっと余談なんですけど、最近の横浜中華街は、昔からこの地に住む老華僑のお店と、ここ十数年の間に進出してきた新華僑との派閥があるらしくて、新華僑っていうのは甘栗を押し売りしてきたり、食べ放題システムでやってるお店。対する老華僑のお店は、外観も料理も高級なところが多くて、優雅な気分で美味しいものをいただける昔ながらの中国料理店。私が子どもの頃……というか昭和の時代には、中華街にご飯食べに行くっていうのは「ちょっと贅沢だけど、間違いなく美味しいものが食べられるお出かけ」でした(裏通りとかには、キタナシュラン的な家庭料理のお店も沢山ありますけどね)。だから、最近多い「2,000円くらいで食べ放題。不味いわけではないけど、とりたてて美味しいわけでもない」ってお店にはものすごく違和感がある。とりあえずお腹はいっぱいになるけど、幸せ感で満たされる感じは無いというか。それ、わざわざ中華街まで行く意味無いでしょ。ましてや、客人をおもてなししたいなんていう場合には、絶対老華僑系のちゃんとしたお店じゃないと!

 というわけで余談が長くなりましたが、この日はアメリカから遊びに来た友達夫婦に「中華街で美味しいもの食べたい!」とリクエストされたので、迷わずこちらのお店にお連れしました。ここはほんと間違いないので。

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 テーブルに案内してもらって、まずは生ビール! もちろん青島ビールもありますけどね。

 店内は、フランス租界時代の邸宅をモデルにした空間。アンティークで高級感のある調度品が置かれ、落ち着いた雰囲気です。

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 お料理は冷菜からスタートすることにしました。
クラゲって元々の素材の味が無いから、味付けの力量がストレートに出ますよね。こちらのクラゲは本当に美味しいです。歯応えもコリコリで、噛んでるのが気持ちいい~。

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 棒々鶏も驚きの美味さ。もうね、まず鶏の柔らかさにびっくり。どこまでもしっとり滑らかな舌触り。これは紹興酒とかで蒸してあるのかしら、肉の味わいにも深みがあるんですよ~。
棒々鶏って、今やそんなに珍しくないっていうか、その辺の中華屋でも食べられるメニューだけど、これは別物。こういう当たり前の料理で差を見せつけられると、レベルの高さが歴然として感動します。

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 酸辣湯。酸っぱくて辛いスープ。
細く切った豆腐やタケノコ、ふんわりしたかき玉などが入ってます。
3人でシェアしたんですけど、たっぷり2杯ずつのボリュームです。

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 椎茸の煮込み。
干し椎茸スライスと、タケノコ、油通しした豆腐の醤油味うま煮ですね。
上に載ってる緑の野菜は金針菜。肉厚の椎茸が滋味をたっぷり含んでいて、噛むほどに旨みがしみ出してくるの。すごーく美味しかった。

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 フカヒレ入り焼売と小籠包。
フカヒレの歯応えと旨みが詰まってる感じで、大変美味しい。

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 小籠包は、皮が柔らかくてGOOD!
皮を破らないように注意しながら、刻み生姜の入ったタレをかけて、一口で頬張ります。
中から熱々のスープが口いっぱいに広がって、至福のひととき(≧∇≦)

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 お料理が美味しいと、お酒も進みま~す。
紹興酒(3年)を燗にしてもらって、デカンタでいただきました。
デカンタってガラスのボトルで出るのかなと思ってたら、こんな茶器みたいなポットでサービスしてくれました。風情があって良いですよね~。

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 海老蒸し餃子。プリプリの歯応えで美味しい! 浮き粉の透き通った皮も美しいですね~。

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 春巻き。皮がパリパリで、全然油っこくないです。
餡は熱々トローリ。タケノコの歯応えも気持ち良いですよ。紹興酒に合わせてチビチビ食べたいんだけど、美味しいからついパクパク食べちゃう。

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 五目チャーハン。見るからにパラパラでふんわりした食感なのがわかるでしょ?
細かく切ったチャーシューが味をビシッと引き締めて、いい仕事してます。枝豆のグリーンもアクセントになってていい感じ。

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 デザートは冷たい杏仁豆腐。アーモンドのいい香りに癒やされます。
美味しいものたくさん食べて、最後にこういうさっぱりしたスイーツで仕上げると、なんだか満足感のランクが上がります。いい食事だったなぁ~って、すごく充実。アメリカからの友達夫婦も、美味しかった!ってすごく喜んでくれました。

 こちらの状元樓は、中華街の本店以外に自由が丘店もあるんですが、今年(2017年)7月7日には私のホームグラウンドである横浜・野毛に「チャイナ・ビストロ 八寸」もオープンしました。八寸は、「酒の肴」として少量ずつの一皿を楽しめるというコンセプトのお店らしいので、酒飲み的には大いに気になってます(中華って大皿料理を数人でシェアするスタイルだから、大勢で行かないといろんなメニュー食べられないじゃないですか)。八寸のほうも近々訪問しようと思っていますので、行ったらレポートします。お楽しみに~。
今日も美味しかったで~す、ごちそうさまでした!



横浜中華街 上海料理 状元樓
〒231-0023 神奈川県横浜市中区山下町191
電話 045-641-8888
営業時間 11:30~22:00(L.O.)
年中無休